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就業規則等の社内規定の作成

よくある質問

Q.1 試用期間についてどう定めたらいいの?

従業員を採用するに際し、その適格性を判断するなどのため、本採用の前に一定の「試用期間」を設ける場合があります。この「試用期間」を設けるも設けないも各企業の任意であり、そのあり方について労働基準法の規定は特にありません。したがって「試用期間」を設ける場合には、就業規則等において、試用期間の長さ(期間の延長または短縮を含む)、試用期間中の解雇、本採用の手続き、試用期間の扱い(勤続年数への通算の有無)などを定めることになります。試用期間の長さは、その目的が本採用とするかどうかの適性判断期間であることから、2、3カ月程度とするのが多く、まれに6カ月とする場合もあるようです。長さについては法的な制限はありませんが、この間は、身分が不安定であることから、必要以上に長い期間を設定すること問題で、一般的には長くても1年程度にすべきでしょう。そのため就業規則の条文では、「新たに採用した者については、採用の日から3カ月間を試用期間とする。

ただし、特殊な事情がある場合は2カ月を超えない範囲で試用期間を延長することがある」などのように、通常は2、3カ月としたうえで、試用期間の延長の規定を設けて、特殊な事情がある者に限って、その期間を延長するようにし、さらに延長する場合の最長期間についても定めておくとよりよいでしょう。逆に、「試用期間を短縮し、または設けないことがある」などのように、短縮の規定についても設けておきます。

次に、試用期間中の解雇に関して、本採用後の解雇事由よりは広範に認められるものとされていますので、就業規則等において、「試用期間中の解雇」事由を通常の解雇事由とは別にその基準を明記しておくとよいでしょう。なお、労働基準法上では、「試用期間中の者を14日以内」に解雇する場合には、解雇予告または予告手当の支払いをせず、即時に解雇できるとされていますが、試用期間中の解雇基準を設けた場合でも、採用の日から14日を超えてから解雇する場合には、通常の解雇手続き(解雇予告または予告手当の支払い)が必要になります。

その他、試用期間中の賃金や昇給、賞与などの処遇については、就業規則や労働契約の定めによりますので、特に本採用後の処遇と異なる基準をする場合には、就業規則等に明記しておくようにします。また、一般に、勤続年数によって適用の有無が決まることとなっているもの(退職金の算定期間や休職制度等)に対して、試用期間を勤続年数として算入するのかどうかについても就業規則に明記しておくようにします。

Q.2 退職後の扱いについてはどう定めたらいいの?

就業規則に、「退職時までに会社の指定する者に業務の引き継ぎを完了しなければならない」という規定は多くみられますが、「業務上必要がある場合には退職後も呼び出すことがある」と、退職後も出社を命じる定めはあまり見られません。このような規定をしても一般的にはその効力は及ばないとされているためです。もっともこのような定めを就業規則にすること自体に問題はありません。ただし、効力はありませんから、現実的には退職者に対して、引継ぎが不十分なときは、自由意思による協力を求めるほかないでしょう。

Q.3 労働時間を把握する方法でタイムカードに頼っていますがいいのでしょうか?

労働基準法は、使用者に従業員の労働時間等の把握を義務づけています。この労働時間数を把握する方法として、出勤簿やタイムレコーダー等が利用されていますが、管理者が各人別の労働時間数等を記録したり、労働者が出勤簿に記録するなどでも構いません。要は、使用者が従業員一人ひとりについて労働時間等を確実に把握し、時間外労働等の処理にあたって法令の定めに違反しないように管理することが求められているということです。したがって、出退勤時刻の管理にタイムカードを使用している場合に打刻しない者がいたとしても、使用者は何らかの方法で労働時間把握義務を果たさなければなりません。

つまり、タイムレコーダーの打刻を忘れた場合でも、従業員が実際に出勤し、労働している限り、使用者はその従業員の実際の労働時間について把握する義務を免れることはできないわけです。したがって、タイムレコーダーの打刻忘れを理由に欠勤として扱うことはできませんし、就業規則にそのような規定が設けられていたとしてもその規定は当然無効です。ただし、打刻忘れを理由に制裁処分をすることはできますので、労働基準法に定める範囲内であれば減給の制裁等の制裁処分に付すことは可能です。

Q.4 始業、終業時間は必ず定めなければならないのですか?

労働基準法では、労働契約締結に際して、「始業及び終業の時刻」を明示することを求めています。この規定は、年俸制による期間限定の契約社員にも当然適用されます。

したがって、労働契約の締結に際して、始業の時刻だけ定めて、終業時刻を業務終了時とすることはできません。なお、フレックスタイム制や裁量労働制を採用すれば、始終業時刻を従業員の決定に委ねることは可能になります。

Q.5 遅刻者が残業した場合の割増賃金はどうしたらいいの?

遅刻した者が所定の終業時刻を過ぎて労働した場合でも、就業規則等で「終業時刻後に労働した場合には時間外労働として扱い、割増賃金を支払う」などの規定がある場合を除き、法定労働時間を超えない限り割増賃金を支払う義務はありません。従って、遅刻した時間と残業時間とを相殺することは可能です。同様に早退や勤務途中の私用外出の時間についても、就業規則等で実労働時間から控除する旨の定めがある場合には、残業時間と相殺することができます。

ただし、相殺した後にも所定労働時間を超える労働時間がある場合には通常の賃金を、また法定労働時間を超える時間については割増賃金を払わなければなりません。なお、遅刻の際に控除する賃金単価と残業した際に支払う賃金単価が違うと、残業時間と遅刻の時間を相殺できないことにもなりますので、「割増賃金は、実労働時間が8時間を超えた時間について支払う」等の規定を設けておくといいでしょう。

Q.6 残業を命令する場合について詳しく教えてください?

労働基準法第36条は、「時間外・休日労働に関する労使協定」(以下「三六協定」という)を締結した場合には、使用者は、三六協定に定める範囲内で時間外労働を命じることができるとしています。したがって、就業規則に「業務上必要がある場合には時間外労働を命じることがある」旨の定めがあり、三六協定が締結されている場合には、正当な理由がない限り、原則として残業を拒否することはできません。上司の残業命令に従わないと、労働契約や就業規則の労務提供義務に違反することになるからです。

実際に残業命令を拒否した場合の罰則については法令では定められていませんので、就業規則等の制裁に関する定めによることになりますが、一般に正当な理由のない残業命令拒否に対しては「業務命令違反」として懲戒処分を課すこととする就業規則が多いようです。逆に、就業規則等に時間外労働を命ずる旨の定めや三六協定が締結されていない場合には、残業命令をする根拠がありませんので従業員はこれを拒否することができますし、制裁処分をすることもできません。

Q.7 労働時間の開始と終了の時刻の根拠ってあるのですか?

一般に、労働時間とは「労働者が使用者の指揮命令に服し労務を提供している時間」のことです。ここで、労働時間の開始時間は、会社内に入ったときからか、実際に業務を始めたときからか、また、安全用作業着を着用したり、制服に着替えたときかなど、どの時点からなのかが問題になります。

この問題については、

1. 使用者の命令があるかどうか。

2. 当該作業を行なうために必然的なもの、あるいは通常必要とされるものであるかどうか。

3. 法令で義務づけられているかどうか。

などの点から判断されますが、具体的には次のようになります。

まず、会社内に入っただけでは一般的にはまだ使用者の指揮命令下にはありませんので、労働時間とはなりませんが、作業準備時間、作業終了後の整理整頓・後始末は、特に使用者の明示の命令がなくても本来の業務に付随して発生するものですから、労働時間に算入しなければなりません。また、更衣時間については、労働者が任意に行う更衣時間は労働時間に含める必要はありませんが、あらかじめ義務づけられている制服の着脱時間や安全具の装着時間については労働時間となります。なお、入門後職場までの歩行時間や着替え履き替えのための時間については、労働時間に含めるか否かは就業規則の定めに従い、定めがない場合には職場慣行によるとした裁判例があります。

以上のことから、労働時間については、職種、勤務の特性、各々の職場慣行に応じて実質的にとらえる必要がありますので、労働時間の始期と終期について、上記の基準に則って、就業規則等で明確に定めておくことが望ましいでしょう。

Q.8 労働時間を計算する時の端数処理はどうしたらいいの?

遅刻、早退した時間について賃金を控除することは、ノーワーク・ノーペイの原則からして問題はありませんが、控除することができるのは、あくまでも実際に遅刻、早退した時間に相当する賃金分だけです。これは、1ヵ月分をまとめた場合の端数時間についても同様です。例えば、1ヵ月の合計の遅刻、早退時間が31分の場合に1時間分の賃金を控除すると、29分は、労働した時間から賃金をカットすることになりますので、労働基準法に反することになります。ただし、控除ではなく就業規則に定める減給の制裁として行う場合には、労働基準法の範囲内であれば、上記のような端数処理も法に反しないことになります。

Q.9 年次有給休暇の申し出のタイミングについて決まりはあるのですか?

労働基準法では、年次有給休暇は原則として従業員が請求した時季に与えなければならないものとしています。ではこの請求をいつまでにするのかなどの手続きについては、定めがありませんので、任意に定めることになります。一方で、企業側には年次有給休暇の時季変更権がありますので、年次有給休暇の請求をしてから行使するまでの間に時季変更権を行使するかどうかの判断のための時間が必要です。そこで、具体的には遅くとも「前日の終業時刻までとする」というのが妥当なところでしょう。

したがって、事後に年次有給休暇を請求があった場合、これを年次有給休暇として扱う義務はありません。さらに、当日になってからの請求は始業時刻前であったとしても、ここでは事後の請求になりますので、これを拒否することができます。もっとも、当日の請求に応じるとしても何ら問題はありません。一般的には、病気、けがなどのケ−スのように、前日までに年次有給休暇の請求ができなかったために、当日の朝、請求をしてきた場合でも、その請求を認めているケースが多いようです。また、一度欠勤として処理した後に、本人から年次有給休暇への振替の請求があった場合には、それを認めることとしても差し支えありません。しかし、従業員からの申し出がないのに、一方的に欠勤日を年次有給休暇に振り替えることはできません。そのためにも、事後の請求を認めるか否かを就業規則に明示しておく必要があります。

Q.10 私傷病休職の定め方はどうしたらいいの?

業務外の傷病等(以下私傷病)によって長期の欠勤をする場合に、通常の欠勤とは区別して、私傷病休職として就業規則に規定することがあります。これは、私傷病によって欠勤が長期に及んでいる従業員に対して、一定の期間は従業員としての身分を保障する一方、一定期間を経過しても職場に復帰することができない場合には、労働契約を解除することができることを制度化するためのものです。

ここで休職の開始時期をはっきりと規定していないと、従業員が風邪などで数日休んだだけでも私傷病休職として扱わざるを得なくなってしまいます。そこで、「業務外の私傷病による療養のための欠勤が引き続き1ヵ月を超えるとき」などの条文を追加して、本来の私傷病休職の目的に合致するように開始時期に関する要件を明示することが必要です。

Q.11 出向・配転は自由にできるのですか?

配置転換の場合には、同一企業内の異動ですから、一般に、就業規則等に「就業の場所」を変更することがある旨の定めがあれば、業務命令としてできるものとされています。しかし、出向(ここでは在籍出向)の場合は、現在とは異なる企業で労務を提供することになるでしょうから、その労働条件等についてあらかじめ明示する必要があります。

次に出向に対して、対象者本人の同意が必要かどうかについて、個別同意説と包括同意説があります。個別同意説は、出向命令の都度、本人の同意を必要とするというものです。この場合には、出向の理由や出向先その他の条件について、本人が異議を申し立てたときは、出向はできません。

これに対して、包括同意説は、就業規則で包括的に出向に関する事項が定められていれば、逐一本人の同意を得なくても、出向命令を発することができるというもので、現在のところ多数説となっています。ただし、包括同意説に基づいて、就業規則で包括的に出向に関する事項を定める場合には、「業務の都合上、出向させることがある」といった程度だけでなく、(1)出向の事由、(2)出向先、(3)出向期間、(4)出向中と復帰後の労働条件などについて定めておかなければならないこととされています。なお、このような出向規定がある場合にも、さらに本人の事情を勘案し、一方的な出向命令をしないように配慮することも必要とされています。

Q.12 機密事項の漏洩対策について教えください?

在職中の社員に対しては、就業規則に機密事項に関する守秘義務の定めと守秘義務に違反したときは懲戒処分をする定めをし、実際に機密を漏洩した従業員はその規定に基づいて懲戒処分にすることができます。しかし、退職後の守秘義務については簡単ではありません。なぜなら、在職中に身につけた技術やノウハウのすべてに守秘義務を強制することは、職業選択の自由を不当に侵すことになりかねないからです。しかし、一方では、企業にはさまざまなノウハウや顧客情報等の営業秘密が存在していますので、退職後も守秘義務を課すことがみとめられる場合もあります。そして退職者が違反した場合には、差し止め請求・損害賠償請求が可能であるとされています。

以上のように本件はその具体的事案に応じてその都度判断されると思われますが、会社側の防止策としては、退職後も守秘義務があることを就業規則に定めておくこと、また特に必要のある者については退職後の守秘義務契約や競業避止契約を退職時に結んでおくことなどが有効です。そして、違反したときは、損害賠償請求をすることがある旨を付記しておくとよいでしょう。ただし、実際に損害が生じたときは、機密漏洩と損害との間の因果関係を原則として会社側が証明しなければならないでしょう。

Q.13 制裁の定め方を教えてください?

労働基準法は、「制裁の定めをする場合」には、その種類と程度を就業規則に定めておかなければならないこととしています。このことを、就業規則に制裁に関する定めをしていない場合には、従業員がどんな不正行為をしようとも、制裁処分の実施が認められないととらえがちですが、必ずしもそうではありません。具体的な定めがなくても、社会通念上許容される範囲内において、制裁処分の実施は認められるものと考えられています。ただし、この場合でも労働基準法には違反した状態に変わりありませんので、それを解消するためにも、また、今後に不良行為等が発生することを未然に防ぐためにも、就業規則に制裁の程度と種類等について、定めておく必要があるでしょう。

Q.14 就業規則の効力ってどうやって発生するの?

就業規則を作成、変更する場合には、次の三つの手続きが必要になります。

(1)従業員代表の意見聴取。

(2)行政官庁への届け出。所轄の労働基準監督署長に、就業規則のほか、就業規則届に、従業員の過半数で組織された労働組合、または従業員の過半数を代表する者の意見書を添えます。

(3)従業員への周知。労働基準法では、作業場の見やすい場所に掲示したり、備え付ける等の方法で、従業員に周知させなければならないものとしています。

就業規則の効力がこの三つの手続きのうち、どの時点から発生するかについては、従業員に周知された時点からというのが一般的です。つまり、意見聴取や行政官庁への届け出がされていなくても、従業員に知らされていれば、有効ということです。

このことは、就業規則を作成したり変更したときに、上記の三つの手続きをしなくてもよいということではありません。手続きを怠っているのは、当然ながら法違反ですので速やかに手続をする必要があります。

Q.15 就業規則の従業員への周知はどうしたらいいの?

就業規則の作成または変更のときの、従業員への周知方法については、次の3つの方法のいずれかによることとしています。

(1)常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、または備え付けること。

(2)書面を労働者に交付すること。

(3) 磁気テープ、磁気ディスクその他これらに準ずる物に記録し、かつ、各作業場に労働者が当該記録の内容を常時確認できる機器を設置すること。

したがって、就業規則を周知するためには、必ずしも一人ひとりに配布する必要まではありません。例えば人事部に置いてあるというのは、(1)の「備え付け」という方法で就業規則の周知義務を果たしていることになります。

ただし、人事部がある本社以外に事業場がある場合には、不十分です。なぜなら、法令は「常時各作業場の見やすい場所へ掲示し、又は備え付ける」ことを求めており、作業場単位で就業規則を備え付けなければならないからです。本社しかないのであれば、人事部に備え付けている場合でも、「見易い場所」に置かれている限り、周知義務を果たしているといえますが、支店や工場がある場合には、本社人事部に備え付けるだけでなく、支店や工場にも備え付けることが必要です。

Q.16 内規についてはどういう扱いになるのですか?

就業規則は、労働基準法によって作成義務があり、その作成・変更手続きについても法定化されています。これに対して、「内規」は、就業規則の運用にあたっての解釈や運用細則を定めたもので、法的な根拠や裏付けがあるわけではありません。したがって、就業規則の定めの変更を伴わず、単なる就業規則の運用上の諸問題に関する変更にとどまる場合には、「内規」を変更するだけで差し支えありませんが、就業規則の内容に関わる変更をする場合には、就業規則の変更を行ったのちに、必要に応じて「内規」を変更することになります。つまり、「内規」と就業規則とでは、当然ながら就業規則が優先されます。

Q.17 年齢についての考え方を教えてください?

定年時期についての就業規則の定め方には、「60歳に達した日をもって定年退職とする」「定年に達した日の属する月(給与計算の締切日)をもって退職とする」「定年に達した月の属する年度の末日をもって退職とする」などのように、様々ですが、定年年齢については、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律で、「事業主がその雇用する労働者の定年(以下単に「定年」という)の定めをする場合には、当該定年は60歳を下回ることはできない」と定められていますので、60歳を下回る年齢を定年として定めることはできません。「60歳に達した日をもって退職とする」という場合の、「60歳に達した日とは」具体的にいつかということについては、年齢計算に関する法律により、応答日である誕生日の前日ということになります。

したがって、60歳の誕生日の前日に60歳に達するわけですから、「60歳の定年に達した日をもって定年退職とする」とする定めがある場合には、定年に達した日すなわち誕生日の前日を退職日としてもよいわけです。

Q.18 自己都合退職の申し出期限についての考え方を教えてください?

従業員が自己都合によって退職(労働契約を解約)の申出をしたときは、民法の規定に準じて、退職願提出後2週間を経過したときに労働契約は解除されるものとされています。しかし、民法のこの規定は、労働基準法の規定のような強行規定ではなく、あくまで任意規定ですので、就業規則に別の定めをし(2週間以上前の申し出など)、それによることとしても差し支えありません。また、「会社の承認」を退職要件とするのも、合理的な理由があれば、ただちに違法とはならないものとされます。

ただし、不当に長期間身分を拘束するものはこの限りではありません。申し出から労働契約の「終了」までの期間があまり長いと、「公序良俗」に反するからです。たとえば、「ノルマを達成するまでは退職を認めない」などのように承認の時期を不当に引き延ばすことはできません。この場合、会社が承認しないことに「合理的な理由」があるかどうかについての判断基準は、(1)業務引継ぎの必要があること、(2)会社が後任者を雇入れるために必要な最小限の期間であることが目安となるものとされます。

以上の点から、就業規則に「2ヵ月以上前」の退職願の提出を求める規定や「承認」を要する旨の規定は、ただちに違法とまではできませんが、「合理的な理由」がないにもかかわらず、不当な身分拘束に該当すると判断される場合には認められないことになります。

Q.19 社内備品の取扱いについてどう定めたらいいのですか?

机は、「仕事」に必要であり、会社が社員に対して貸与しているものです。そのため机には、原則として仕事に必要なものだけを入れるようにすべきであり、そのような使い方をしている限り、他の社員やが机を開けてもなんら問題はないはずです。仕事に関係ない私物を机の中に入れている人は、不意に机を開けられると困るかもしれませんが、もしそれをプライバシーの侵害などと言うのは本末転倒です。プライバイシー等の問題以前に、取引先から問い合わせがあったような場合には、その取引先に対して速やかに回答することが会社にとって最優先の「仕事」です。このとき担当者本人が不在ならば、誰かがかわってその仕事を完了させなければなりませんので、このように業務上の必要性がある場合には、不在社員の机を開けることに本人の承諾は必要としません。

なお、トラブルを避けるためには、就業規則に、「社員は、机の中等に私物を入れてはならない」「会社は、業務上の必要がある場合には、会社が社員に貸与した机、ロッカー、キャビネット等を開けることがある」ことを定めておくとよいでしょう。

Q.20 パートタイマー就業規則って必要なんですか?

就業規則は、従業員の呼称や雇用形態を問わず、原則として全従業員に適用されることになります。ただし、パートタイマー等は、労働時間や賃金体系等の基本的な労働条件が正社員と異なることが多く、正社員と同じ就業規則をになじまない場合が多いでしょう。

したがって、パートタイム労働法では、パートタイマー等を雇用する場合には、パートタイマー等向けの就業規則を別に作成することが望ましいとしています。

またパートタイマー等の労働条件は一般に個々に定めることが多いことから、就業規則では、パートタイマー等に共通して適用する事項のほかは、大綱だけを定めておき、個々に労働契約で定める事項については「雇入通知書」等により個別に示すこととしておくほうが現実的です。こうすれば、時給制のパートタイマーと年俸制の契約社員などが小人数ずつ混在しているときなどで、それぞれの就業規則を作成するほどでもない場合に、一つの就業規則で対応可能です。

Q.21 ノルマに対するペナルティって課すことができるの?

契約社員にノルマを与え、ノルマを達成しなかったときに罰金を課したり、賞与を減額するという措置は、原則としてできないものと思われます。労働基準法では、制裁を「制裁の原因たる事案が公序良俗に反しない限り」禁止するものではないとしています。ノルマを達成できことで、罰金を課したり、賞与を減額することは、労働者の生活を不当に脅かすことになり、公序良俗に反するものと思われます。

また、あらかじめ罰金を課すことを予定することは、賠償予定の禁止に違反する可能性もあります。したがって、このような場合には、ペナルティ制度とするのではなく、目標を達成したときに賞与に上乗せするボーナス制度を採用した方が効果的であると思われます。具体的には、目標をいくつかの段階に分け、達成度に応じて通常の賞与にボーナスをプラスする方法等が考えられます。

Q.22 賃金を降給することは可能なんですか?

給与の改定は、就業規則に基づいて行うもので、就業規則の定めが、「会社は、毎年1回4月に社員の給与の見直しを行う」などと、昇給、据え置き、降給、いずれのパターンも想定した定め方とされている場合には、特別な問題はありません。この場合には、「業績不振のため、今年は、全員の日給額を改定しない(据え置く)」旨を従業員に通知するだけでもよいでしょう。

しかし、「昇給は、毎年1回、4月に行う」などと、昇給することを前提とした定め方をしている場合には、就業規則違反となる可能性があります。もし、就業規則が後者のような定めになっていて、それでも日給額を据え置かざるを得ないのであれば、従業員の同意を得る必要があります。この場合、日給額の据え置きが雇用を維持するためにはやむを得ない措置であることなど、昇給できない理由とともに、今後の見通し等についても十分説明し納得してもらう必要があります。

なお、就業規則を作成していない事業場などで、これまで慣行的に、毎年、いくらかずつでも必ず昇給している場合に、日給額を据え置くときには、その事情などについても、同様に扱う方がよいでしょう。

Q.23 退職金を分割して支給してもいいのですか?

労働基準法では、退職金は「退職手当」とされており、支給するかどうかは事業主の任意です。ただし、支給する場合には、就業規則等に定めておかなければなりません。さらに、就業規則や退職金規程などに定めがあれば、分割して支給することもできます。退職金を分割して支給するためには、分割支給することがある旨を定めるだけでなく、分割する回数、それぞれの支払時期等について、あらかじめ就業規則や退職金規程などに定めておく必要があります。

なお、退職金の分割支給の一種として、退職金の年金化を図る企業増加しています。退職金の年金化は、企業にとっては退職金支払いの負担の平準化を図ることができ、また、税制上の優遇措置が適用させることなどのメリットがあります。一方、従業員にとっては、老後に安定収入が保障させること、外部の機関に原資を預けるので退職金の保全を図ることができるというメリットがあります。

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